霞ヶ浦アカデミーは、茨城県内の衆議院総選挙小選挙区に出馬している 候補者へ 霞ヶ浦についての政策を問う公開質問状を送付し、回答をとりまとめました。
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概要
今回、衆議院総選挙小選挙区「茨城 1 区」から「茨城 7 区」に出馬している 24 名へ 霞ヶ浦についての政策を問う公開質問状を送付(※1)し、10 月 18 日までに 11 名から返答を得ました(返答率:45.8%)。
常陸川水門の運用について問う【質問1】では、回答した多くの候補者が、「ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき」と回答しました。
霞ヶ浦の漁業振興策を問う【質問2】では、水質浄化、水産物・加工品の販路拡大、養殖業への支援、葦の育成など各候補者が独自の考えを回答しました。
霞ヶ浦導水事業について問う【質問3】では、多くの候補者が「中止すべき」もしくは「工事を停止し、計画を再検討すべき」と回答し、「完成を急ぐべき」と回答した候補者はいませんでした。
また公表質問状への返答率は45.8%と低く、霞ヶ浦の環境問題についての関心の低さが伺えました。
公開質問状への質問と回答内容
公開質問状の質問と回答内容は以下です
1.常陸川水門の運用について、お考えに最も近いものをお選びください。またその理由をお答えください。
- ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき
- 湖水の塩分濃度に上限を設けて、ある程度海水の遡上を許す運用にすべき
- 現状通り淡水化の運用を続けるべき
- その他
選挙区 | 候補者名 | 所属 | 質問1 | 理由 |
茨城1区 | むとう ゆう子 | 維新 | ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき | 美味しい国産の鰻が食べたそう思っている人は多いはずです。私もその一人です。当たり前のことが当たり前ではなくなっている現在を終わらせたいです。 |
高橋 誠一郎 | 共産 | ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき | 常陸川水門は、霞ヶ浦と海とのつながりを断ち、自然の浄化の道も断ってしまいました。水門の柔軟運用によって、湖と海との生物移動が可能になり、窒素やリンを湖から除去することにもつながります。水質浄化を目的の一つに進めている霞ヶ浦導水事業は、那珂川の方がアオコを増殖させる硝酸態窒素が高く、むしろ霞ヶ浦の富栄養化を促進させることが明らかになっています。 | |
福島 のぶゆき | 無所属 | 無回答 | ||
田所 嘉徳 | 自民 | 無回答 | ||
茨城2区 | 川井 ひろこ | 共産 | ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき。 | 常陸川水門は、霞ヶ浦と海とのつながりを断ち、自然の浄化の道も断ってしまいました。 水門の柔軟運用によって、湖と海との生物移動が可能になり、窒素やリンを湖から除去することにもつながります。水質浄化を目的の一つに進めている霞ヶ浦導水事業は、那珂川の方がアオコを増殖させる硝酸態窒素が高く、むしろ霞ヶ浦の富栄養化を促進させることが明らかになっています。 |
いまむら 敏昭 | 維新 | 無回答 | ||
大高 伸一 | 無所属 | ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき | 水質の向上のため。また海水の遡上によるアオコを抑制し、昔ながらの自然環境、景観を守るべきであり、多くの地元住民がそれを望んでいる。 | |
額賀 福志郎 | 自民 | 無回答 | ||
茨城3区 | かじおか 博樹 | 立民 | 無回答 | |
葉梨 康弘 | 自民 | 無回答 | ||
大内くみ子 | 共産 | ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、 霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき。 | 常陸川水門は、霞ヶ浦と海とのつながりを断ち、自然の浄化の道も断ってしまいました。 水門の柔軟運用によって、湖と海との生物移動が可能になり、窒素やリンを湖から除去することにもつながります。水質浄化を目的の一つに進めている霞ヶ浦導水事業は、那珂川の方がアオコを増殖させる硝酸態窒素が高く、むしろ霞ヶ浦の富栄養化を促進させることが明らかになっています。 | |
橋口 なほ | 維新 | 無回答 | ||
加川 裕美 | れいわ | 無回答 | ||
茨城4区 | 梶山 弘志 | 自民 | 無回答 | |
武藤 ひろみつ | 維新 | 無回答 | ||
吉田 つばさ | 共産 | ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき | 常陸川水門は霞ヶ浦と海とのつながりを断ち、自然の浄化の道も断ってしまいました。水門の柔軟運用によって湖と海との生物移動が可能になり、窒素やリンを湖から除去することにもつながります。水質浄化を目的の一つに進めている霞ヶ浦導水事業は那珂川の方がアオコを増殖させる硝酸態窒素が高く、むしろ霞ヶ浦の富栄養化を促進させることが明らかになっています。 | |
茨城5区 | 千葉 たつお | 共産 | ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき | 弾力的に漁業の再興、復興を進めるべきです。ワカサギ漁は今でも行っていると聞きました。生業と生活の営みを守るべきです。 |
浅野 さとし | 国民 | 無回答 | ||
石川 あきまさ | 自民 | 無回答 | ||
茨城6区 | 青山 やまと | 立民 | ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき | 2006年に茨城県議当選後、県議時代も逆水門の柔軟な運用を訴え、導水事業の見直しを訴えてきた。今もその考えは変わらない。 |
国光 あやの | 自民 | その他: 要配慮事項有 | ・常陸川水門は、洪水時の利根川からの逆流防止、渇水時の塩水遡上防止、農業用水、工業用水、都市用水供給を行うことを目的とした施設です。 ・なお、生物多様性の保全にも注意が必要と考え、水門においてウナギやワカサギ等の生物の移動ができるよう、水門に魚道を設置しているところです。今後もウナギやワカサギ等の生物多様性に配慮しながら、市民参加型でしっかりと議論を進めることが大切と考えます。 | |
間宮 みち子 | 共産 | ウナギやワカサギなどが多く生息できるように、洪水防止の時以外は開門して、霞ヶ浦を汽水湖に戻すべき | 常陸川水門は、霞ヶ浦と海とのつながりを断ち、自然の浄化の道も断ってしまいました。水門の柔軟運用によって、湖と海との生物移動が可能になり、窒素やリンを湖から除去することにもつながります。 | |
茨城7区 | ながおか 桂子 | 自民 | 無回答、コメントあり | |
中村 はやと | 無所属 | 無回答 |
2.霞ヶ浦の漁業の振興策をお持ちですか。その内容をお知らせください。
選挙区 | 候補者名 | 所属 | 質問2 |
茨城1区 | むとう ゆう子 | 維新 | 漁業には詳しくないので、申し訳ありませんが今のところ振興策はありません。 |
高橋 誠一郎 | 共産 | 霞ヶ浦の漁業が果たしている環境を守る多面的な役割は、地元の漁業者が暮らし、共同で漁場を管理してこそ発揮されるものです。そのために漁業者の所得や水産物・加工品の販路拡大、養殖業への支援、地産地消の推進、水産加工の振興、新規就業者対策の充実を求めます。水質改善にむけて生活排水対策や畜産対策を行います。下水道の整備や高度処理型浄化槽の設置、環境にやさしい農業をめざします。 | |
福島 のぶゆき | 無所属 | 無回答 | |
田所 嘉徳 | 自民 | 無回答 | |
茨城2区 | 川井 ひろこ | 共産 | 霞ヶ浦の漁業が果たしている環境を守る多面的な役割は、地元の漁業者が暮らし、共同で漁場を管理してこそ発揮されるものです。そのために漁業者の所得や水産物・加工品の販路拡大、養殖業への支援、地産地消の推進、水産加工の振興、新規就業者対策の充実を求めます。水質改善にむけて生活排水対策や畜産対策を行います。 下水道の整備や高度処理型浄化槽の設置、環境にやさしい農業をめざします。 |
いまむら 敏昭 | 維新 | 無回答 | |
大高 伸一 | 無所属 | 水質管理の向上による漁獲量の確保。また農業との連携による相乗効果を得る。(用水路の活用など) | |
額賀 福志郎 | 自民 | 無回答 | |
茨城3区 | かじおか 博樹 | 立民 | 無回答 |
葉梨 康弘 | 自民 | 無回答 | |
大内くみ子 | 共産 | 霞ヶ浦の漁業が果たしている環境を守る多面的な役割は、地元の漁業者が暮らし、共同で漁場を管理してこそ発揮されるものです。そのために漁業者の所得や水産物・加工品の販路拡大、養殖業への支援、地産地消の推進、水産加工の振興、新規就業者対策の充実を求めます。水質改善にむけて生活排水対策や畜産対策を行います。 下水道の整備や高度処理型浄化槽の設置、環境にやさしい農業をめざします。 | |
橋口 なほ | 維新 | 無回答 | |
加川 裕美 | れいわ | 無回答 | |
茨城4区 | 梶山 弘志 | 自民 | 無回答 |
武藤 ひろみつ | 維新 | 無回答 | |
吉田 つばさ | 共産 | 霞ヶ浦の漁業が果たしている環境を守る多面的な役割は、地元の漁業者が暮らし、共同で漁場を管理してこそ発揮されるものです。そのために漁業者の所得や水産物・加工品の販路拡大、養殖業への支援、地産地消の推進、水産加工の振興、新規就業者対策の充実を求めます。水質改善にむけて生活排水対策や畜産対策を行います。下水道の整備や高度処理型浄化槽の設置、環境にやさしい農業をめざします。 | |
茨城5区 | 千葉 たつお | 共産 | 水産物などの販路拡大や地産地消を進めることなど政治の責任で行えるものもあります。水質改善対策や下水道整備など、環境に負荷をかけない取り組みも行政も責任を持って進めるべきです。 |
浅野 さとし | 国民 | 無回答 | |
石川 あきまさ | 自民 | 無回答 | |
茨城6区 | 青山 やまと | 立民 | 温暖化、地球環境の変化により不漁になっている。地球全体の規模で考えていきたい。 |
国光 あやの | 自民 | 有用魚種の漁獲量減少を食い止めるべく、湖畔沿いの葦など育成をし、環境整備を行っている。 また、シラウオの霞ヶ浦ブランド化並びに、地産地消対策を関係各所との更なる連携強化。 | |
間宮 みち子 | 共産 | 霞ヶ浦の漁業が果たしている環境を守る多面的な役割は、地元の漁業者が暮らし、共同で漁場を管理してこそ発揮されるものです。そのために漁業者の所得や水産物・加工品の販路拡大、養殖業への支援、地産地消の推進、水産加工の振興、新規就業者対策の充実を求めます。水質改善にむけて生活排水対策や畜産対策を行います。下水道の整備や高度処理型浄化槽の設置、環境にやさしい農業をめざします。 | |
茨城7区 | ながおか 桂子 | 自民 | 無回答、コメントあり |
中村 はやと | 無所属 | 無回答 |
3.霞ヶ浦導水事業について、お考えに最も近いものをお選びください。またその理由をお答えください。
- 完成を急ぐべき
- 工事を停止し、計画を再検討すべき
- 中止すべき
- その他
選挙区 | 候補者名 | 所属 | 質問3 | 理由 |
茨城1区 | むとう ゆう子 | 維新 | 中止すべき | 東京一極集中を解消することで、都市水道の必要量は減少させることができるので、東京一極集中を先に解消すべきである。東京一極集中は他にも弊害があるが、素晴らしい自然環境が犠牲になるべきではないから。 |
高橋 誠一郎 | 共産 | 中止すべき | ① 水需要が低下するなかで100万人分の水が余っており、新たな水源開発は必要ない。 ② 霞ヶ浦浄化につながらないばかりか、水の移動は生物多様性条約や基本法に反し、那珂川や利根川の生態系に悪影響をもたらす。 ③ 莫大な税金投入により県民負担を招く。 以上の理由から、県議会で一貫して事業からの撤退を求めてきました。 | |
福島 のぶゆき | 無所属 | 無回答 | ||
田所 嘉徳 | 自民 | 無回答 | ||
茨城2区 | 川井 ひろこ | 共産 | 中止すべき | ①水需要が低下するなかで100万人分の水が余っており、新たな水源開発は必要ない。 ②霞ヶ浦浄化につながらないばかりか、水の移動は生物多様性条約や基本法に反し、那珂川や利根川の生態系に悪影響をもたらす。 ③莫大な税金投入により、県民負担をまねく。 以上の理由から、日本共産党は県議会で一貫して事業からの撤退を求めてきました。 |
いまむら 敏昭 | 維新 | 無回答 | ||
大高 伸一 | 無所属 | 工事を停止し、計画を再検討すべき | 水質の浄化に導水の効果を検証すべき。霞ヶ浦は富裕水であり微生物などの活用も視野に入れるべきと考える。 | |
額賀 福志郎 | 自民 | 無回答 | ||
茨城3区 | かじおか 博樹 | 立民 | 無回答 | |
葉梨 康弘 | 自民 | 無回答 | ||
大内くみ子 | 共産 | 中止すべき | ①水需要が低下するなかで100万人分の水が余っており、新たな水源開発は必要ない。 ②霞ヶ浦浄化につながらないばかりか、水の移動は生物多様性条約や基本法に反し、那珂川や利根川の生態系に悪影響をもたらす。 ③莫大な税金投入により、県民負担をまねく。 以上の理由から、日本共産党は県議会で一貫して事業からの撤退を求めてきま した。 | |
橋口 なほ | 維新 | 無回答 | ||
加川 裕美 | れいわ | 無回答 | ||
茨城4区 | 梶山 弘志 | 自民 | 無回答 | |
武藤 ひろみつ | 維新 | 無回答 | ||
吉田 つばさ | 共産 | 中止すべき | 1.水需要が低下する中で100万人分の水が余っており、新たな水源開発は必要ない。 2.霞ヶ浦浄化につながらないばかりか、水の移動は生物多様性条約や基本法に反し、那珂川や利根川の生態系に悪影響をもたらす。 3.莫大な税金投入により県民負担を招く。 以上の理由から、県議会で一貫して事業からの撤退を求めてきました。 | |
茨城5区 | 千葉 たつお | 共産 | 中止すべき | 茨城県の人口が大きく膨れ上がるという試算のもと霞ヶ浦導水事業がはじまりました。しかし現在、県の人口は膨れ上がっておらず、過剰な水源となります。必要のない事業に県税をつぎこむべきではありません。 |
浅野 さとし | 国民 | 無回答 | ||
石川 あきまさ | 自民 | 無回答 | ||
茨城6区 | 青山 やまと | 立民 | 工事を停止し、計画を再検討すべき | 自然に存在している生態系がある。大規模に人工的に作り直すことで、その影響は計り知れない。慎重に計画を再検討すべきと考える。 |
国光 あやの | 自民 | その他: 生物多様性の保全に注意しながら事業を進めるべき | ・霞ヶ浦導水事業は、那珂川下流部、霞ヶ浦及び利根川下流部を結ぶ地下トンネルによる 流況調整河川を建設し、霞ヶ浦、桜川等の水質浄化、利根川下流部、那珂川下流部の既得 用水の補給等流水の正常な機能の維持と増進、首都圏の水道及び工業用水の供給の確保を 目的とする事業です。 ・霞ヶ浦(高崎沖)と那珂川下流部を結ぶ那珂導水路のうち水戸及び石岡トンネル区間に ついては、これまでに全体約32kmのうち約19kmが完成し、令和8年度中に残り約13km の完成を目指して進めており、既に完成している利根導水路とこれらの完成により那珂川、 霞ヶ浦及び利根川が全てつながることとなります。 ・ただし、事業の実施に当たっては、生物多様性の保全にも注意が必要と考えます。 | |
間宮 みち子 | 共産 | 中止すべき | (1)水需要が低下するなかで100万人分の水が余っており、新たな水源開発は必要ありません。 (2)霞ヶ浦浄化につながらないばかりか、水の移動は生物多様性条約や基本法に反し、那珂川や利根川の生態系に悪影響をもたらします。 (3)莫大な税金投入により県民負担が増大します。 以上の理由から、県議会でも日本共産党は、一貫して事業からの撤退を求めてきました。 | |
茨城7区 | ながおか 桂子 | 自民 | 無回答、コメントあり | |
中村 はやと | 無所属 | 無回答 |
なお、永岡桂子事務所は無回答としたうえで「用水の確保という人命に関わる導水事業は重要なものと承知しています。」とコメントしています。
(※1)公開質問状は10月2日付で各候補者の事務所へ郵送しました。10月15日以降にまだ回答が済んでいない候補者でかつメールアドレスを公表している方には再度メールで依頼しています。加川裕美候補については出馬が明らかになった後、メールで依頼を行いました。