プレスリリース

北浦通水について国交省へ質問しました

北浦通水に関する公開質問状

茨城県議会において柗田議員より霞ヶ浦導水事業を拡大する北浦への通水について質問があり、県は意見を国に伝えると答弁しました。私たちは、霞ヶ浦導水事業は多額の費用を必要とするにもかかわらずその効果が疑わしいことから中止すべきと考えており、実際に事業を所管する国交省へ2024年12月17日に質問状を送付しました。

質問状の内容は以下になります。

霞ヶ浦導水事業に関連しての北浦への通水について、茨城県議会(令和6年第2回定例会6月10 日)における柗田議員の一般質問及び政策企画部長答弁の内容が茨城県より国土交通省に伝えられています。北浦への通水について、国の見解をお答えください。

1. 国は北浦への通水が必要と考えていますか。

2. 北浦への通水の計画を策定していますか。あるいはその予定はありますか。

3. 北浦への通水の浄化効果と費用はどの程度と見積もっていますか。

質問状に対する国交省からの回答

国土交通省関東地方整備局からは「文書での回答は差し控えたい」と回答期限の2025年1月17日に当会事務局あてに電話があり、電話で回答がなされました。以下、電話の録音をする許可を頂いたうえで録音した音声データを文字お越しした内容を掲載します。

ご質問のありました内容についてご回答させていただきます。

北浦の水質につきましては西浦に比べて生活排水の処理率が低いことや畜産由来の汚濁負荷が大きいというということでCODが高いということから茨城県などにおいて重点的に対策を実施しており、国土交通省においても有識者や茨城県、水資源機構に参加していただいて北浦の水質改善検討会※を設置すると共に、これまで流入河川においてもウェットランドを設置するなどの対策を行ってきているところでございます。

さらにですね、今年度その巴川の河口部においてもですね、ウェットランドを設置しておりまして、今後その水質改善効果等のモニタリング調査を実施していく予定でおります。北浦の通水計画につきましては策定しておらず、その浄化効果の試算や整備費用の見積もりは行ってございませんが、北浦の水質改善の必要性は理解しておりまして、関係機関等と調整しながら効果的な対策について検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

※北浦水質改善計画検討会
https://www.ktr.mlit.go.jp/kasumi/kasumi00903.html

霞ヶ浦導水事業に関する資料

・当会は北浦通水に関して茨城県に対する公開質問状を送り回答を得ています。

・霞ヶ浦導水事業に関して、海夫通信 no.33海夫通信 no.45に特集を掲載しています。

海夫通信 no.16 では水問題に関する全国組織「水郷水都全国会議」内で採択された「霞ヶ浦導水事業の中止を求める決議」について紹介しています。

・当会の創業メンバーの浜田篤信氏(現在当会監事)の著書「水資源開発事業と生物多様性保全: 霞ヶ浦導水事業の生物多様性影響評価研究報告書(Amazon,1,426円)」では「霞ヶ浦導水事業」の那珂川の生態系や漁業への影響を2009年3月から2018年3月の10年間にわたって調査した成果が取りまとめられています。